2010年2月14日日曜日

孤高の人

ずいぶん前に槍ヶ岳開山を読んで以来、新田次郎の作品をパラパラと読んでいる。新田次郎の”空気”の描写にハマった感じだ。



新田次郎の小説を読んでいるうちに、ふとコンビニでヤングジャンプを立ち読みすると同名の漫画が・・・。よく見ると「原案:新田次郎」とあったのでなるほどと、両方読んでみた。

小説は大正末期~昭和初期の時代背景。学生のときからいわゆる「歴史(特に日本史)」が好きではない人間なので今まで避けて通ってきたようなジャンルなんだが、山岳小説ということでなんとかクリア。
ここでも印象的なのは山の空気の描写。夏山しか登ったことないけど、厳冬期の冬山の体を締め付けるような激しい寒気が、ぬくぬくと布団に入って寝転がっている自分にも伝わってくるほど。読み終わって寝るときは加藤文太郎のように丸まって寝てたりw。
趣味の山登り人としては全くもってこのようなストイックな登山をしたいとは思わないし、すべきでないと思うが、山の本性というのはこういうものだということは認識しておきたい、とヌクヌクと布団の中で思ったり。

加藤文太郎の山行場面はどれも山の緊張感と匂いが想像できて好きなのだけど、やはり最後の北鎌尾根が印象強い。”死”の香りがところどころに姿を見せる最後の槍ヶ岳登山だが、晴れ間の槍ヶ岳が加藤文太郎を呼んだシーンは美しくも恐ろしい山の魔性の面が。

いつかは行ってみたい北鎌尾根ルートだけど、たぶん無理だろうなぁ・・・。槍の山頂からの北鎌尾根へ降りるなんて、想像しただけでも足が震える。事実2回登った槍ヶ岳だけど、怖くて祠の二歩手前までが限界。。。

マンガの方はところどころ小説のシーンが出てくるけど全く別物。それなりに楽しめるけど、ちょっとやりすぎ感が。ジーパンで冬の八ヶ岳・・・無理だろ。

かなり感化されて今年は山に行く意欲がかなり高まった。そろそろ冬山もやってみたい。いや、安全なのがいいです。。。

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